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はじめに:株式会社DeNAの企業分析

株式会社DeNAは、東京証券取引所プライム市場に上場する、日本を代表するインターネット企業です。その事業領域は、ゲーム、ライブコミュニティ、スポーツ、ヘルスケア、オートモーティブ、Eコマースなど多岐にわたり、常に新しい分野への挑戦を続けています。

本稿では、DeNAの事業概要、最近の業績、将来性、強み、課題点、そして特筆すべき点について、客観的なデータと分析に基づき、誰にでも分かりやすい形で解説します。

投資推奨を目的とするものではなく、あくまで企業分析の一環として、その現状と将来の可能性を探ります。

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株式会社DeNAの概要:革新と挑戦の軌跡

DeNAは、1999年3月に有限会社として設立され、同年8月に株式会社ディー・エヌ・エーへと組織変更しました。設立当初は東京都世田谷区に本社を構えましたが、その後渋谷区内での移転を経て成長を遂げました。   

設立と初期(1999-2005年)

DeNAの最初の事業は、1999年11月に開設されたオークションサイト「Bidders」でした。これは、当時黎明期にあった日本のインターネットオークション市場に参入するものでした。2001年1月には、「Bidders」をオークションとショッピングの機能を併せ持つサイトへと刷新し、2002年12月にはショッピング機能を拡充して「Bidders Shopping」を開始しました。この時期のDeNAは、オンラインでの売買プラットフォームの提供を通じて、インターネットサービスの基盤を築きました。  

2004年3月には、本社を渋谷区笹塚に移転し、携帯電話向けオークションサイト「Mobao(モバオ)」を立ち上げ、モバイル市場への進出を果たしました 。2005年1月には、「ポケットビッダーズ」がiモード公式メニューで初のオークションサービスとなり、「auオークション」も開始され、モバイルオークション市場での地位を確立しました。同年2月には、東京証券取引所マザーズに上場を果たし、株式公開企業となりました。この上場は、DeNAにとって更なる成長への資金調達と企業としての信頼性向上に大きく貢献しました。  

初期のDeNAは、オンラインオークションという新しい市場にいち早く参入し、PCからモバイルへとインターネット利用の中心が移行する流れを捉え、事業を拡大していったと考えられます。この迅速な市場への適応力は、DeNAの成長の原動力の一つと言えるでしょう。

モバイルゲームとソーシャルネットワーキングへの拡大(2006-2011年)

2006年2月、DeNAは携帯電話向けゲームサイト「Mobage Town(モバゲータウン)」(後の「Mobage」)と携帯電話専用ファッション系ショッピングサイト「Mobacolle(モバコレ)」を相次いで開始し、事業の多角化を加速させました 。特に「Mobage Town」は、ソーシャルゲームという新しいジャンルを切り開き、爆発的な人気を博しました。  

海外展開も積極的に進め、2006年7月には中国に現地法人を設立し、2009年7月には中国最大の携帯SNSサービス「天下網(テンカネット)」を展開するWAPTXを子会社化しました 。これは、巨大な中国市場での成長を目指す戦略的な動きでした。また、2009年10月には、ソーシャルゲーム「怪盗ロワイヤル」の提供を開始し、ゲーム事業を本格化させました 。   

2011年3月には、「Mobage Town」のサービス名称を「Mobage(モバゲー)」に変更し、同年6月には守安功氏が代表取締役社長に就任しました 。同年7月には、欧米版・中国版「Mobage」を開始し、グローバル展開を本格化させました 。この時期のDeNAは、モバイルゲーム市場の成長を牽引し、国内外でのソーシャルゲームプラットフォームの確立に注力しました。しかし、海外市場、特に中国市場においては、現地の競合との競争や規制の変化など、多くの課題に直面しました。   

多角化と新規分野への参入(2012年~現在)

2011年12月、DeNAは日本プロフェッショナル野球組織への新規参入を決定し、横浜ベイスターズ(現:横浜DeNAベイスターズ)を子会社化し、スポーツ事業に参入しました 。これは、エンターテインメント事業の多角化を図るとともに、DeNAのブランドイメージ向上にも大きく貢献しました。  

2013年1月には、「Bidders」のサービス名を「DeNAショッピング」に変更し、企業ロゴも刷新しました 。同年12月には、漫画雑誌アプリ「Manga Box」や仮想ライブ空間「Showroom」をリリースし、新たなエンターテインメント領域への展開を進めました 。2014年8月には、ニュースアプリ「Hacker Doll」や個人向け遺伝子検査サービス「MYCODE(マイコード)」を開始し、ヘルスケア分野にも参入しました。  

2015年3月には、任天堂と業務・資本提携を締結し、共同でゲームアプリの開発や運営を行うとともに、「SHOWROOM」での横浜DeNAベイスターズ主催試合のライブ配信を開始しました 。2015年9月には、カーシェアリングサービス「Anyca(エニカ)」を開始しましたが、後にSOMPOホールディングスとの合弁会社であるDeNA SOMPO Mobilityへ事業譲渡しました 。2021年8月には、本社を渋谷スクランブルスクエアに移転しました。   

2024年3月末時点でのDeNAの会社概要は以下の通りです 。  

  • 設立年月日:1999年3月4日
  • 資本金:103億97百万円
  • 株式公開市場:東京証券取引所・プライム市場(証券コード:2432)  
  • 従業員数:連結 2,897名
  • 代表者:代表取締役会長 南場 智子、代表取締役社長兼CEO 岡村 信悟  
  • 主要子会社:モバオク、横浜DeNAベイスターズ、DeSCヘルスケア、DeNA Games Tokyo、横浜スタジアム、DeNA川崎ブレイブサンダースなど   
  • 主な事業内容:ゲーム、ライブコミュニティ、スポーツ・まちづくり、ヘルスケア・メディカル、オートモーティブ、Eコマース、その他

現在のDeNAは、多様な事業ポートフォリオを持つ持株会社としての性格を強めており、各事業分野で専門の子会社や関連会社を通じて事業を展開しています 。この多角化戦略は、特定の市場への依存度を低減し、新たな成長機会を追求するためのものです。   

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最近の業績と直近の業績予想

最近の業績(2025年3月期第3四半期)

2025年3月期第3四半期(2024年4月~12月)のDeNAの連結業績は、売上収益が前年同期比12.1%増の1,168億円、営業利益が209億円となり、前年同期の営業損失から大幅な黒字転換を果たしました。純利益も157億円となり、同様に大幅な改善を見せています。

特にゲーム事業は、売上収益が前年同期比29.4%増の506億円、セグメント利益が8127%増の210億円と大きく成長しました。この大幅な増益は、2024年10月30日にリリースされたスマートフォン向けゲームアプリ「Pokémon Trading Card Game Pocket(ポケポケ)」の好調な推移が大きく貢献しました。このゲームは、リリースから短期間でユーザーからの課金額が急拡大し、DeNAのゲーム事業全体を大きく牽引する原動力となっています。グローバル市場でも好調に推移しており、海外アプリの消費額増加が顕著です。

スポーツ事業(横浜DeNAベイスターズ)も好調で、主催試合の観客動員数が球団史上最多を記録し、「2024 JERA クライマックスシリーズ セ」と「SMBC日本シリーズ2024」で優勝するなど、業績に大きく貢献しました。一方、ライブストリーミング事業(Pococha、IRIAM)は、売上収益が前年同期比5.1%減となりましたが、下期からは収益性確保に注力した事業運営を行っています 。ヘルスケア・メディカル事業は、売上収益が前年同期比2.2%減となりましたが、データ利活用に関する案件の積み上げが進捗しています。

DeNAの最近の業績は、新作ゲーム「ポケポケ」の成功とスポーツ事業の好調により、大幅な改善を見せています。ライブストリーミング事業での収益性重視への転換や、ヘルスケア事業での将来に向けた取り組みも注目されます。

直近の業績予想

DeNAは、2025年3月期通期の連結業績予想については、合理的な数値の算出が困難であるとして、引き続き非開示としています。ただし、2024年3月期と比較して増収、一時損益を除く営業利益も増益を見込んでいるとしています。ゲーム事業については、第3四半期連結累計期間までの進捗を踏まえ、前期比で大幅な増収・増益を見込んでいるものの、「ポケポケ」の動向など現時点での合理的な見通しの算出は困難であるとしています。なお、第4四半期期間に新規タイトルのサービス開始は予定されていません。

アナリストのコンセンサス予想では、2025年3月期の経常利益が上方修正されており、ポジティブな見通しが示唆されています。一部のアナリストレポートでは、レーティングの引き上げや目標株価の大幅な上方修正も行われており、「ポケポケ」の貢献による業績の安定的な成長が期待されています。特に、ある国内証券会社は、業績予想を大幅に上方修正し、株価評価を引き上げています 。  

DeNAの業績予想は、公式には通期で開示されていませんが、第3四半期までの好調な実績とアナリストの楽観的な見方から、増収増益となる可能性が高いと考えられます。特にゲーム事業、中でも「ポケポケ」の今後の動向が、通期業績を大きく左右する要因となるでしょう。

会計期間 売上収益
(億円)
営業利益
(億円)
純利益
(億円)
出典
2024年3月期 1,367.3 -282.7 -286.8
2024年6月期 339.8 19.2 30.5
2024年9月期 702.6 54.9 30.0
2024年12月期
(累計)
1,167.3 209.8 157.6
2025年3月期
(予想)
非開示 増益見込み 黒字見込み アナリスト
予想

企業が置かれる環境の中での将来性や成長性

ゲーム市場

日本のゲーム市場は、モバイルゲームを中心に成長が続いており、2025年から2033年の間に年平均成長率(CAGR)9.7%で成長し、2033年には605億米ドルに達すると予測されています。モバイルゲームは、そのアクセスのしやすさと手頃な価格から、市場成長の主要な牽引役となっています。特に、スマートフォンゲームは今後も成長が期待されています。一方で、世界的なゲーム市場の成長は、コロナ禍後の反動などにより鈍化傾向にあり、2028年までのCAGRは5%と予測されています。

DeNAは、「IP(知的財産)×F2P(基本プレイ無料)」モデルを強みとしており、過去にも「ポケモンマスターズEX」や「逆転オセロニア」などのヒット作を生み出してきました。今後も、大手IPとの協業を積極的に進めることで、新規ユーザーの獲得を目指す戦略を取っています。直近の「ポケポケ」の成功は、この戦略の有効性を示唆しており、今後の業績成長への貢献が期待されます。「ポケポケ」は、リリース後短期間で大きな収益を上げており、DeNAのゲーム事業における重要な柱となる可能性があります。

日本のゲーム市場は依然として成長の余地があり、特にモバイルゲーム分野はDeNAにとって強みを発揮できる領域です。人気IPを活用したゲーム開発と運営は、安定的な収益成長に繋がる可能性があります。

ライブコミュニティ市場

日本の動画配信市場(VODを含む)は、2029年には7,873億円規模に達すると予測されており 、ライブエンターテインメント市場も拡大が見込まれています。

DeNAのライブストリーミング事業(Pococha、IRIAM)は、現在収益性重視の運営へとシフトしており 、他のサービスとの連携やAIの活用も視野に入れています。ライブ配信市場は成長を続けており、DeNAがこの分野で持続的な成長を実現するためには、収益性の改善と新たな技術の導入が鍵となるでしょう。ゲーム実況市場の成長も、DeNAにとってライブ配信事業とゲーム事業の相乗効果を生み出すチャンスとなる可能性があります。

ライブコミュニティ市場は、人々のオンラインでの交流ニーズの高まりとともに成長しており、DeNAはこの市場で独自の地位を築くことができる可能性があります。

スポーツビジネス

スポーツ庁は、2025年までに日本のスポーツ市場規模を15兆円に拡大する目標を掲げていましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、その達成は容易ではない状況です。しかし、足元の市場動向を見ると回復の兆しが見えており 、2021年にはスポーツGDPがコロナ禍以前の水準まで回復し、スポーツ市場規模も過去最高の約13.7兆円を記録しました。プロ野球(横浜DeNAベイスターズ)、プロバスケットボール(DeNA川崎ブレイブサンダース)、プロサッカー(SC相模原)などの人気プロリーグが市場成長を牽引すると期待されています。

DeNAは、これらの3つのプロスポーツ競技に参画しており、興行ビジネスを着実に成長させています。今後も、事業とコンテンツ(チーム)双方の価値を高めていくとともに、スタジアムやアリーナを核としたファンコミュニティを育成することで、将来の成長に繋げることを目指しています。横浜DeNAベイスターズの好成績は、DeNAのスポーツビジネスにおける成功例と言えるでしょう。

スポーツビジネスは、地域社会との連携やファンエンゲージメントを通じて、安定的な成長とブランド価値の向上に貢献する可能性があります。

ヘルスケア・メディカル事業

日本のヘルスケアIT市場は、2030年には18億7,000万米ドルに達すると予測されており(2021年からのCAGRは21.7%)、AIの活用も進んでいます。

DeNAのヘルスケア事業は、「MYCODE」などの遺伝子検査サービスや、医療従事者向けコミュニケーションツール「Join」などを展開しており、データ活用に注力しています。この分野は、高齢化が進む日本において、今後ますます重要性が高まると考えられます。DeNAは、AI技術を活用することで、より効率的で質の高いヘルスケアサービスの提供を目指しています。ただし、この分野での収益化はまだ課題となっています。 

ヘルスケアIT市場は高い成長ポテンシャルを秘めており、DeNAのデータサイエンスとAIの強みを活かすことで、この分野での事業拡大が期待されます。

オートモーティブ事業

DeNAは、タクシー配車アプリ「GO」、自動運転技術を活用した交通サービス「Easy Ride」、自動運転バス「ロボットシャトル」、次世代物流サービス「ロボネコヤマト」など、幅広いオートモーティブ領域で事業を展開してきました。自動車アフターマーケットや自動運転車市場も成長が予測されています。

DeNAのこの分野での戦略は、ITとデータサイエンスの知見を活かし、モビリティサービスのプラットフォームを開発することに重点を置いているようです。特にEV(電気自動車)のデータ活用は、今後の戦略的な方向性の一つと考えられます。

オートモーティブ分野は、技術革新が急速に進んでおり、DeNAの持つIT技術とデータ分析能力は、新たなモビリティサービスの創出に貢献する可能性があります。

Eコマース

日本のBtoC Eコマース市場は成長を続けており、2023年には24.8兆円に達しました。DeNAはかつて「DeNAショッピング」や「auショッピングモール」を運営していましたが、2017年にKDDIに譲渡しました。現在では、横浜DeNAベイスターズのグッズ販売など、特定の事業セグメント内でのEコマース活動に注力していると考えられます。

DeNAのEコマース戦略は、かつての広範なオンラインモール運営から、より特化した分野、特に自社の強みを持つスポーツ関連のマーチャンダイジングに重点を置く方向に変化しているようです。  

企業の強み:競争優位性の源泉

DeNAの強みは、多岐にわたる事業ポートフォリオ、モバイルエンターテインメントにおける実績、スポーツビジネスでの成功、イノベーションへの積極的な姿勢、健全な財務体質、そしてデータサイエンスとAIの能力にあると言えます。

多角的な事業ポートフォリオ

ゲーム、ライブストリーミング、スポーツ、ヘルスケア、オートモーティブなど、幅広い分野で事業を展開していることは、DeNAの大きな強みです。この多角化により、特定の市場の変動リスクを分散し、複数の成長機会を確保することができます。異なる事業セグメント間で知識や技術を共有し、相乗効果を生み出すことも可能です。

モバイルエンターテインメントにおける実績

「Mobage」をはじめとするモバイルゲームプラットフォームの運営や、「ポケポケ」のようなヒットタイトルの開発・運営を通じて培ってきたモバイルエンターテインメントにおける豊富な経験と実績は、DeNAの重要な競争優位性です。確立されたユーザーベースと「IP×F2P」モデルのノウハウは、新たなゲームやデジタルコンテンツの展開において大きなアドバンテージとなります 。特に、「ポケポケ」の成功は、DeNAのIP活用戦略と開発・運営能力の高さを改めて示しました。

スポーツビジネスでの成功

横浜DeNAベイスターズの買収と成功的な経営は、DeNAのブランドイメージを向上させ、安定した収益源となっています。スポーツビジネスにおけるマーケティングやファンエンゲージメントの戦略は、他の事業分野にも応用できる可能性があります。  

イノベーションへの積極的な姿勢

DeNAは、「永久ベンチャー」を掲げ、ヘルスケア、オートモーティブ、そして recent な「AIオールイン」戦略に見られるように、常に新しい事業領域や技術への挑戦を続けています。社内での新規事業創出を奨励し、ベンチャーキャピタルとの連携も積極的に行っています。このイノベーションを重視する企業文化は、DeNAの持続的な成長の鍵となります。

健全な財務体質

最近の業績回復に見られるように、DeNAは健全な財務体質を維持しています。これは、成長戦略への投資や、不確実な経済状況下での事業継続を支える重要な要素です。

データサイエンスとAIの能力

DeNAは、データサイエンスとAIの分野で着実に能力を向上させており、ヘルスケア、オートモーティブ、マーケティングなど、様々な事業領域でこれらの技術を活用しています。特に「AIオールイン」戦略は、この分野への注力を明確に示すものです。AI技術は、既存サービスの最適化、新規サービスの開発、業務効率の向上など、多岐にわたる貢献が期待されます。

企業の課題点:持続的成長への挑戦

DeNAは多くの強みを持つ一方で、いくつかの課題も抱えています。ゲーム事業におけるヒットタイトルへの依存、新規事業セグメントの収益化、主要市場での競争激化、そして「AIオールイン」戦略の実行などが挙げられます。

ゲーム事業におけるヒットタイトルへの依存

「ポケポケ」の成功は最近の業績を大きく押し上げましたが、ゲーム事業は一般的にヒットタイトルの成否に大きく左右される傾向があります。安定的な成長のためには、継続的に魅力的なゲームを開発し、運営していく必要があります 。 「ポケポケ」の今後の収益性や、次なるヒットタイトルの創出が、ゲーム事業の持続的な成長には不可欠です。

新規事業セグメントの収益化

ヘルスケアやライブストリーミングなどの新規事業セグメントは、まだ安定した収益を確保するには至っていません 。これらの分野がDeNA全体の収益に貢献するためには、更なる投資と戦略的な調整が必要となる可能性があります。

主要市場での競争激化

ゲーム、ライブストリーミングなど、DeNAが事業を展開する主要な市場では、国内外の競合企業との競争が激化しています 。市場シェアを維持し、ユーザーを獲得するためには、継続的なイノベーションと効果的なマーケティング戦略が求められます。

「AIオールイン」戦略の実行

AIへの全面的な注力は大きな機会である一方、その戦略を組織全体で効果的に実行していくことは容易ではありません。人材の確保、組織体制の再構築、そして実用的なAI搭載サービスの開発が成功の鍵となります。

新規事業における過去の課題

DeNAは過去にも、キュレーションプラットフォーム事業などで苦い経験をしています 。これらの経験から学び、今後の新規事業展開に活かしていくことが重要です。

その他特筆すべき点:多角的な視点からの考察

DeNAには、その事業戦略や組織文化において特筆すべき点がいくつか存在します。

「永久ベンチャー」という理念

DeNAが掲げる「永久ベンチャー」という理念は、常に新しい価値の提供に挑戦し続ける組織を目指す姿勢を示しています。この理念は、DeNAのイノベーションへの積極的な姿勢を支える原動力となっています。

社会貢献活動への取り組み

DeNAは、スポーツチームを通じた地域貢献活動や、教育、ヘルスケア分野での社会貢献活動を積極的に行っています。これらの活動は、企業イメージの向上に貢献しています。

戦略的なM&Aの活用

DeNAは、M&Aを成長戦略の重要なツールとして活用してきました。最近のAIスタートアップの買収も、この戦略の一環と言えるでしょう。

AIドリブンな変革への注力

最近発表された「AIオールイン」戦略は、DeNAの事業のあり方を大きく変える可能性を秘めています。既存事業の効率化と新規AIサービスの開発を両輪で進めることで、DeNAは新たな成長ステージを目指しています。特に、既存事業の人員を半減させ、そのリソースを新規AI事業に投入するという大胆な計画は注目に値します。

まとめ:株式会社DeNAの総合評価

株式会社DeNAは、オンラインオークションから始まり、モバイルゲーム、スポーツビジネス、そしてヘルスケア、オートモーティブへと多角的に事業を展開してきた、変化と挑戦を続ける企業です。

最近の業績は、新作ゲーム「ポケポケ」の成功とスポーツ事業の好調により大きく改善しており、今後の成長への期待が高まります。

強みとしては、多岐にわたる事業ポートフォリオ、モバイルエンターテインメントとスポーツビジネスにおける実績、イノベーションへの積極的な姿勢、健全な財務体質、そしてデータサイエンスとAIの能力が挙げられます。一方で、ゲーム事業におけるヒットタイトルへの依存、新規事業セグメントの収益化、市場競争の激化などが課題として存在します。

特筆すべき点としては、「永久ベンチャー」という理念、社会貢献活動への取り組み、戦略的なM&Aの活用、そして recent な「AIオールイン」戦略への注力があります。特にAIへの全面的なシフトは、DeNAの将来を大きく左右する可能性があり、その動向が注目されます。

DeNAは、変化の激しいインターネット業界において、常に新しい分野に挑戦し、事業を多角化することで成長を続けてきました。今後の成功は、既存事業の安定的な成長と、AIをはじめとする新規事業の育成にかかっていると言えるでしょう。