【確認したい】FPを取り巻く新しい金融~FPジャーナル23年9月

FPトピックス
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日本FP協会が発行するFP会員向け月刊誌「FPジャーナル」ですが、その2023年9月号に興味深い記載があったので、筆者の備忘録も兼ねて記載します。

金融分野もどんどん新しい技術が入っているサービスが展開されているため、FP資格者にとっても技術の詳しいところまでは知る必要はないものの、サービス概要は知っておく必要があると感じました。

筆者の備忘録も兼ねて、フィンテックの新潮流や、第2部に紹介されているFPと金融機関が挑む「新しい金融」という項目から紹介します。

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【確認したい】FPを取り巻く新しい金融~FPジャーナル23年9月

スマートフォンの拡大を背景に、フィンテックサービスが続々と誕生し、生活の中にも浸透しつつあります。

具体的には、

決済サービスとしてオンライン決済やモバイル決済
融資としてソーシャルレンディングやクラウドファンディング
送金分野として低コストの海外課金や個人間送金
投資としてロボアドバイザーやオンライン証券

※FPジャーナル9月号より

などが発生してきました。

APIの技術革新と顧客ニーズ

とりわけ、API(Application Proframming Interface)の技術の発達により、サービス間の連携が可能となってきました。

APIとは「「アプリケーション、ソフトウェア」と「プログラム」をつなぐもの」と紹介されています。

紹介に挙がっているのは、家計簿アプリとネットバンキングやクレジットカード、証券口座などとの連携です。

最初は、このAPI連携を使い始めた段階では、情報が流出しないか不安を持ったユーザーも多かったように思いますが、いまや一般的に使っているようになっており、身近に我々が感じるフィンテックサービスの一つとなりました。

エンベデッド・ファイナンスの潮流

次の流れとして来ているのが、エンベデッド・ファイナンス(Embedded Finance)の潮流ということで紹介されています。

エンベデッド・ファイナンスとは、「エンドユーザーが自ら金融事業者にアクセスせずとも、普段利用している非金融事業者の提供するサービスから利用できる金融サービスのことを指す」と紹介さ入れています。

良く紹介されているのが、Uberなどのライドシェアアプリが挙げられます。

スマホアプリで配車して、来たら乗って、目的地で降りて、というだけで、支払いがその場では必要がなく、アプリ上で決済されているというイメージです。

裏側にある金融サービスを意識できなくなる?

表側にユーザーが利用するサービスがあるために、裏側の金融機能をユーザーが意識できない可能性がでてくるのではと紹介されています。

例として、不動産売買の際の重要事項説明書の例ですが、IT重説が一般的になりつつあり、また内覧から契約まで電子データによって実施できるようにもなっています。

裏側に融資等の金融機能が付いていれば、アプリで重説~売買に至るまでワンストップで提供されるようになり、消費者としては便利なのですが、銀行と直接やり取りしない可能性もあり、お金を借りているという認識が薄れるのではないかと紹介されていました。

確かに、便利になればなるほど、黒子である金融が表に出てこないので、どういう流れになっているか分かりづらく、また裏側の金融機能も選択の余地がなく、ある一定の決められた金融機関と融資契約を結ばざるを得ない状況もあるかもしれません。

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第2部のFPと金融機関が挑む「新しい金融」から

金融分野も、AIやメタバース、NFT、デジタルバンクとますます無縁ではいられなくなってくる時代がきているということで、これらに関連するサービスが紹介されていました。

AI(人工知能)

ChatGPTをはじめとして、我々が普段業務をする際にも、AI(人工知能)が一般的になって来ています。

大手企業のサービスに問い合わせ先に連絡した場合であっても、とりあえずの一次応答として、AIが回答して、誘導する仕組みになっています。

ウエルスナビのロボアドバイザーの紹介では、投資未経験者に対する資産運用をサポートするということで、資産運用の自動化の紹介がありました。

長期、積立、分散を自動で行うことができ、手間を省くという点であり、一般NISAにも対応しているとのことでした。

良く分からない、自分で考えるのは面倒であるなどの場合は、ロボアドバイザーにアドバイスして貰った内容をそのまま運用することも考えられるのでしょうか。

筆者としては自分で考えて投資先を決めたいという意識の方が強いですが、それも主観的な判断であり、リスク許容度に応じて客観的な勝ちパターンを紹介してくれるものなのか、と感じました。

メタバース

メタバースは比較的イメージしやすいものかもしれませんが、顧客側も接客側も疑似的な自分を作って対応する形です。

紹介では、東京海上のメタバース空間での保険相談所という位置づけで、保険相談を気軽にできるような場を設けるというものです。

具体的には、カーレースを通じて、仮想の損害保険や生命保険を利用してレースを有利に進めることができ、保険と接点がなかった層に対して興味を持てるような仕組みを作っているとのことでした。

メタバースは匿名性が高く、個人情報を開示する必要もないことから、ハードルをさげていることや、リアルに店舗に行かなくてもいいため、体調不良や他の用事で行けなくなっても対応可能という点が挙げられるようです。

また、メタバース上で契約も可能とのことですが、2回目以降は対面やWEB面談で直接相談をする方が多いそうです。

NFT(Non-Fungible-Token)

NFTとは直訳すると、代替不可能なトークンであり、偽造ができない、鑑定書付きのデジタルデータという感じになるかと思います。

有名な所では、Twitter(現X)の総合者であるジャック・ドーシー氏の初めて投稿した世界初のツイート画像が約3億円で落札されたことが話題となりました。

現在において、アート分野においてとんでもなく高値が付くものがでているようです。

このNFT分野では、コインチェックが運営する、Coincheck NFT(β版)が紹介されており、NFTを出品して、購入は暗号資産で行うというものです。

取り扱うアイテムは、コインチェックの知見を活用し時間を掛けて審査を行い、基準を満たしたNFTのタイトルのみをユーザーに届けているとのことでした。

また、国税庁の見解ではNFTの売買は、暗号資産で行われますが、一次流通の利益は雑所得または事業所得、転売時の二次流通の利益は原則として譲渡所得として扱われるとのことのようです。

二次流通の場合には、オリジナルデータ発行者には報酬が入る設計ができることもあります。

これらにより、まだまだ所得や確定申告においては一定のハードルがありそうです。

デジタルバンク

最後に紹介するのが、デジタルバンクの分野ですが、スマホ使用を想定し、オンライン上で預金や融資、資産運用等の金融サービスを提供する銀行を指すようです。

しかしながら、現時点ではまだ定義が明確ではないのも事実なようです。

デジタルバンクは、銀行のインターネットバンキングやネット専業銀行同様に、銀行免許はありますが、ネット銀行同様に、リアル店舗はありません。

とくにデジタルバンクとネット銀行との違いは、ネット銀行が、サービスの主眼としてはあくまでも安価で提供することが中心であるのに対して、デジタルバンクはデジタルならではの付加価値の提供として位置づけているようです。

具体的な例として、日本初のデジタルバンクとして2021年に立ち上がったみんなの銀行が挙げられます。

自分自身の銀行口座の中で、何に使うかを目的別のボックスに資金を振り分けておくことができ、それもドラック&ドロップという、スマホ機能を上手く使って指先でお金を移動させることができる機能があります。

また、銀行ローンも借り入れから返済まで全てアプリ内で完結し、使い道も自由とのことです。

また、スマホ内ですべてが完了することから、自宅に送られてくる郵送物もないそうです。

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まとめ

FPジャーナルの最新号から、FPが知っておくべき新しい金融の動向として紹介しました。

自ら使用するにしても、ハードルが高いものもありますが、流行に敏感なイノベーターやアーリーアダプター層を中心に、すでに使い始めている方も多いでしょう。

最新技術を活用した金融サービスは若い世代から広がっていくため、FP実務として活用するためには新たな潮流をキャッチアップしつつ、最新のサービスを把握していく必要があると考えられます。

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