FP副業に関する興味関心が非常に高いようです。
そのため、改めてFP副業に関する内容を整理してお伝えします。
はじめに – FP資格を活かした副業の可能性
ファイナンシャルプランナー(FP)資格は、金融や生活設計に関する専門知識を持つ証明となり、この資格を活かすことで、現代社会において多様な副業の道が開かれています。退職後のお金の不安を軽減したい40~50代の方々にとっても、FP資格はセカンドキャリアにおける新たな収入源となり得るため、非常におすすめです。
FP資格を有効活用することで、本業の収入に加えて、自身のスキルや知識を活かした柔軟な働き方を実現し、生活の質を高めることが期待できます。
FP資格を活かせる副業の選択肢
FP資格を持つ方が取り組める副業は多岐に渡ります。自身の得意分野や興味関心、ライフスタイルに合わせて、最適な副業を見つけることができるでしょう。
FP相談
FP資格を活かした副業として最も一般的なのが、個人や法人のお金に関する相談に応じる業務です。顧客のライフプランニング、資産運用、保険の見直し、住宅ローン、教育資金、年金、相続など、幅広い分野の悩みに専門家としてアドバイスを提供します。相談料は、経験や専門性によって異なりますが、一般的に時給3,000円~5,000円程度が相場とされています。
FP相談の案件は、「ココナラ」のようなスキルシェア系サイトで見つけやすく、自身の得意な相談内容を提示して効率的に案件を受注できます。実際に相談業務を行う中で、「自分のライフプランも客観視できる」というメリットを感じている方も多いようです。
FPとしての信頼性は最終的に収入に繋がるため、資格を持つことは顧客との信頼関係を構築する上で非常に重要です。
Webライティング・記事監修
金融やマネーに関する知識を活かして、Webコンテンツや雑誌などの記事を執筆・監修する副業もニーズが高く、FPのスキルを十分に活かせます。Webライティングの案件は、クラウドソーシングサイトである「クラウドワークス」や「ランサーズ」などで見つけることができます。
記事の執筆報酬は、1記事あたり2~3万円程度が目安ですが、専門性の高い記事や監修業務の場合はさらに高単価となる傾向があります。特に記事の監修は、FP資格保持が条件となっている場合も少なくありません。
資格を持つことで、他のライターよりも優先的に仕事を受けやすくなるため、効率的に収入を得ることが可能です。Webライターとして活動するには、SEOライティングの知識や、難しい金融用語を分かりやすく説明する能力、読者の興味を引く文章力などが求められます。
質の高い記事は継続的な発注に繋がりやすく、長期的な収入源となる可能性があります。
セミナー講師
資産運用、ライフプランニング、FP資格取得などに関するセミナーの講師を務める副業も、FPの専門知識を活かす有効な手段です。セミナー講師の報酬は、1回あたり3~10万円程度が目安とされていますが、実績や知名度によって大きく変動します。近年ではオンラインセミナーも主流となっており、以前よりも手軽に始めることができるようになっています。
セミナー講師の案件を探すには、「ストアカ」のようなプラットフォームが便利です。セミナーを成功させるためには、参加者が具体的に何を得られるのかを明確にすることが重要で、魅力的なテーマ設定や分かりやすい資料作成が求められます。集客には、SNSの活用やセミナー集客サイトの利用が効果的です。また、カフェなどとの提携によって、継続的な開催場所を確保する工夫も考えられます。セミナー講師としての活動は、受講者からの信頼獲得や実績に繋がりやすく、自身の専門性を高める良い機会となるでしょう。
その他
上記以外にも、FP資格を活かせる副業は多岐に渡ります。
- YouTubeチャンネルの運営: 金融知識やライフプランに関する情報を動画で発信する。
- 通信講座の講師: FP資格取得講座で講師を務める。
- FP系のブログ運営: 自身の知識や経験を活かしてブログを開設し、広告収入やアフィリエイトで収益を得る(ただし、アフィリエイトは信用問題に関わる可能性があるため注意が必要です)。
- お金の計画作成サポート: 顧客の収支状況を分析し、将来に向けた資産形成プランやライフイベントごとの資金計画を作成する。
- 保険会社でのフレキシブルな働き方: 個人のライフスタイルに合わせて時間や場所を選んで働くことが可能な保険会社の業務も、広義には副業と捉えられます。
副業を始めるための準備
FPに関する副業を始めるには、事前の準備が重要です。
クラウドソーシングサイトへの登録
FP資格を活かした副業の案件は、クラウドソーシングサイトで見つけやすいです。まずは、「クラウドワークス」、「ランサーズ」、「ココナラ」といった主要なサイトに登録し、どのような案件があるかを確認してみましょう。
複数のサイトに登録してみて、自分に合ったサイトを中心に活動するのがおすすめです।これらのサイトでは、Webライティングや記事監修の案件だけでなく、FP相談やセミナー講師の募集も見つかることがあります。
経験・実績の整理とアピール
クラウドソーシングサイトなどで案件を獲得するためには、これまでの経験や実績をクライアントに効果的にアピールする必要があります。投資信託や株式売買の経験、銀行員などお金に関する職業経験、セミナー講師の経験、書籍の出版などがアピールポイントとなります。
自身のFP資格はもちろん、関連する資格やスキルも整理しておきましょう。クラウドソーシングサイトのプロフィールには、自身の強みや実績を具体的に記載し、FP資格を登録しておくことで、特別なオファーが届く可能性もあります。
クラウドソーシングサイトに慣れる・実績を積む
初めてクラウドソーシングサイトを利用する場合や実績がない場合は、比較的簡単な案件から始めるのがおすすめです。アンケート回答やデータ入力など、低単価でも取り組みやすい仕事をいくつか受注・納品し、サイトの利用方法に慣れるとともに、実績を積むことが重要です。
クラウドソーシングサイトでは、クライアントからの評価が重視されるため、丁寧な対応と質の高い成果物を納品することで、良い評価を得ることが次の案件獲得に繋がります。
プロフィールに実績が全くない状態では、優れたスキルや資格を持っていても、本命の案件を受注するのは難しい場合があります。まずは最低5件程度の実績を積むことを目標にすると良いでしょう。
コミュニケーション系のITスキルの習得
案件の獲得後や業務を円滑に進めるためには、オンラインでのコミュニケーションに必要なITスキルを身につけておくことも大切です。メール、チャットツール(Slack,Chatworkなど)、Web会議システム(GoogleMeet,Zoomなど)においては、クライアントに合わせて複数対応できるよう、基本的な操作に慣れておきましょう。
クライアントとのスムーズなコミュニケーションは、信頼関係を築き、継続的な案件獲得に繋がります。
副業を行う上での注意点
FPとして副業を行う際には、いくつかの重要な注意点があります。
会社の就業規則の確認
まず、現在勤務している会社の就業規則を確認し、副業が禁止されていないか、あるいは許可が必要かどうかを確認することが最も重要です。副業を禁止している会社や、競合他社での副業を禁じている場合もあります。
就業規則に違反した場合、注意勧告や懲戒処分を受ける可能性もあるため、必ず事前に確認し、必要であれば会社に相談するようにしましょう。仮名で登録して副業を行っても、確定申告を通じて会社に副業が発覚するケースもあるため、安易な行動は避けるべきです。
確定申告
副業による年間所得(売上から経費を引いた額)が20万円を超える場合は、確定申告を行い、雑所得として申告する必要があります。この点はFP試験の学習でも重要なテーマであり、しっかりと理解しておく必要があります。
確定申告を怠ると、無申告加算税や延滞税といったペナルティが課せられる可能性があるため、注意が必要です。
税理士・会計士の独占業務の侵害
FPは、税理士や会計士の独占業務である具体的な税務処理を行うことは禁じられています。税金の一般的な説明や制度の概要を説明することは可能ですが、個別の税務相談や税務書類の作成代行などは行うことができません。
依頼主が税務関連の知識で困っている場合は、あくまで一般的な情報提供に留めるようにしましょう。
保険・金融商品の販売制限
FP資格を持っているだけでは、保険の加入、契約・販売、投資商品の助言、投資商品の運用代行といった業務を行うことはできません。これらの業務を行うには、それぞれ「保険募集人の登録」や「内閣総理大臣からの登録」といった別途必要な資格や登録が義務付けられています。
FPとして副業を行う際は、これらの独占業務に抵触しないよう、一般的な知識や説明に留めるように注意が必要です。
アフィリエイト
FP有資格者のアンケート結果によると、アフィリエイトに関しては注意喚起を促す声が見られるようです。法律で禁じられているわけではありませんが、ステルスマーケティングなどの問題もあり、信用問題に関わると懸念するFPが多いようです。
ただし、自身の経験やスキルを活かしたブログ運営は推奨する声もあり、グレーゾーンの利益目的ではなく、あくまで誰かの役に立つ情報発信であれば問題ないとされています。
FP資格の必要性
FPとして副業を行うにあたり、FP資格は必須ではありません。資格を持っていなくてもFPとして活動すること自体は法律違反にはなりません。しかしながら、FP資格は国家資格であり、資格を持っていることは一定の知識を有していることの証明となり、顧客からの信頼を得やすくなります。資格がない場合と比較すると、資格を持つことで言動に説得力が増し、相談者に安心感を与えやすくなるでしょう。
FP資格には、FP技能士1級、2級、3級(国家資格)と、CFP、AFP(民間資格)があります。副業の幅を広げたり、より専門的な業務に携わりたいと考えるのであれば、FP2級以上の資格取得が望ましいでしょう。
資格取得には時間と費用がかかりますが、それに見合うだけの信頼性やプロフェッショナリズムを高めることができると言えます。特に未経験から副業を始める場合、FP資格は強力な武器となり得るでしょう。
副業で成功するためのコツ
FP資格を活かした副業で成功するためには、いくつかの重要なコツがあります。まずは、自身の得意分野や興味のある分野を見極め、その分野で専門性を高めることが大切です。
質の高い記事やセミナー資料を作成し、顧客に分かりやすく説明する能力も求められます。セミナーなどを行う際には、具体的で分かりやすい価値を訴求するキャッチコピーを工夫しましょう。
新しいサービスや企画を始める前には、家族や知人に試してもらい、率直なフィードバックを得ることが重要です。他のFPや金融関連会社が主催するセミナーに参加してみるのも良い勉強になります。ただし、単に真似るのではなく、そこから自分なりのアプローチを考えるようにしましょう。
クラウドソーシングなどを活用する場合は、最初は低単価の案件でも積極的に受注し、実績を積み重ねることが重要です。クライアントに対して丁寧なコミュニケーションを心がけ、納期を必ず守ることで信頼を得ることが、継続的な案件獲得に繋がります。まさに「継続は力なり」であり、地道な努力を続けることが成功への鍵となります。
キャリアアップの選択肢としてのFP関連企業への就職
もし、現在主婦の方や、今の仕事に物足りなさを感じている方、あるいは一人で副業を始めることに不安を感じている方であれば、FP会社や生命保険会社に就職してみるのも一つの選択肢です。実際の現場で経験を積むことで、FP資格の座学だけでは得られない実践的なスキルを身につけることができます。
FP関連企業で働くことには、お客様とのコミュニケーション力、最新の金融商品知識、コンプライアンス意識、人脈構築、そしてうまくいっている人から直接学べる機会が得られるといった大きなメリットがあります。このような実務経験は、将来的に副業や独立を目指す際の強力な足がかりとなります。FP Wanted!のようなFP専門の転職・求人サイトでは、業界に特化した詳細な情報や非公開求人も多数掲載されており、キャリアカウンセリングなどのサポートも受けることができます。
まとめ – FP資格を活かして副業に挑戦しよう
FP資格は、副業を通じて自身の知識やスキルを活かし、新たな収入源を確保するための強力なツールとなります。初期費用を抑えながら、自分のペースで柔軟に働くことができるのがFP副業の大きな魅力です。
副業を始める際には、会社の就業規則や確定申告、各種法令などをしっかりと理解し、注意点を守ることが重要です。まずは、クラウドソーシングサイトへの登録や実績作りから始め、着実にステップアップしていくことで、FPとしての副業を成功させることができるでしょう。
積極的に行動し、FP資格を最大限に活かして、充実したセカンドキャリアや収入アップを実現してください。
コメント