FPという職業とは 3つの視点から考えてみる 

FP全般
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FP・ファイナンシャルプランナーと聞いて何をイメージされるでしょうか。

FP資格取得に向けて臨まれている方にとっては、イメージが湧いており、そこに向けて日々学習されています。

しかしながら、取得したい資格では人気であるにも関わらず、一般的には「FPファイナンシャルプランナー)ってよく聞くけどどういうものなのか?」ということで、中々理解が追い付いていないのではないでしょうか。

「FPって怪しい」「良く分からない」「何をする人なの?」などの疑問があるでしょう。

そのような疑問を払拭すべく、今回はFP上位資格であるCFP®・FP1級の筆者が、疑問に答える形で記載します。

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FP(ファイナンシャルプランナー)とは

基礎の基礎に戻る形ですが、まずはこの点から見て行きたいと思います。

試験実施機関である、日本FP協会と、きんざい(金融財政事情研究会)による説明を含め、FPがどのような位置づけにあるのか確認してみましょう。

日本FP協会による「ファイナンシャルプランナーとは」

日本FP協会のホームページで以下のようにうたっています。

「FP」は、人それぞれの夢の実現をお手伝いする
「家計のホームドクター®」です

FP協会では、人生設計としての「ライフプラン」があり、そのための総合的な資金計画を立て、経済的な側面から実現に導く方法として「ファイナンシャル・プランニング」があると紹介されています。

そして、これらの計画を立てるためには、金融、税制、不動産、住宅ローン、生命保険、年金制度などの幅広い知識が必要になってきます。

これらの知識を備え、夢や目標がかなうように一緒に考えていく「家計のホームドクター®」のような存在がファイナンシャル・プランナー(FP)です。

「家計のホームドクター®」は日本FP協会の登録商標となっています。

きんざい(金融財政事情研究会)による「FP(ファイナンシャル・プランナー)とは」

一方のきんざいはFPについてどのような考え方を持っているのでしょうか。

同じく、きんざいのホームページから「FP(ファイナンシャル・プランナー)とは何ですか。」の項目をみてみます。

FP(ファイナンシャル・プランナー)は、顧客である個人や中小企業事業主の相談に応じて、顧客の資産に関する情報を収集・分析し、顧客のライフプランやニーズに合わせた貯蓄、投資、保険、税務、不動産、相続・事業承継等についてのプランを立案し、アドバイスを行う、資産相談に関する専門家をいいます。

とのことです。

具体的な内容としてはFP協会とさほど変わらないように見えます。

FP協会のような登録商標化されている言葉を使っているのではなく、資産相談に関する専門家ということで、まとめています。

また、FP協会に比べ、やや学術的なイメージがあるきんざいなので、このあたりもイラスト等などを交えるのではなく、文字のみで完結しています。

Wikipediaによる「ファイナンシャル・プランナー」

中立的な観点から、Wikipediaからも見ておきましょう。

ファイナンシャル・プランナー(Financial Planner)は、顧客である個人から、収支・負債・家族構成・資産状況などのソース提供を受け、それを基に住居・教育・老後など将来のライフプランニングに即した資金計画やアドバイスを行う職業・職種、およびその職に就く者。略してFP(エフピー)とも呼ばれる。

と冒頭に記載されています。

意味合い的には、日本FP協会、きんざいと変わらないですが、日本FP協会とWikipediaが「個人」にフォーカスされており、きんざいは「個人」に加え、「中小企業事業主」とあることから、企業も意識していると捉えられそうです。

この点においては、課目の中でも、個人や個人事業主に限らず、個人から法人になった、いわば法人成りしたようなケースも含まれるのでしょう。

個人から法人事業として育ったケースもFP試験では出題されたりします。

そのため、FPの領域は「個人」だけではなく、「中小企業」までを捉えておくのが良いのでしょう。

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企業に所属するFPか、独立FPか

FPを職業とする人の中には、金融業や不動産業などの企業に所属するFPと、独立して法人や個人として業務を行うFPがいらっしゃいます。

それぞれどのような役割を担っているのか、確認していきます。

企業に所属するFP(企業内ファイナンシャルプランナー)

金融業で住宅ローン融資を担当する方や、保険のコンサルティングセールスをする方、さらには不動産業で、個人に住宅を販売する方など、いわゆる企業内FPが該当するでしょう。

この方々の傾向は、企業に所属していることから、その企業が販売している商品やサービスに絡むFPであるということになります。

最終的に自社の販売商品を促進するために、顧客から相談を受けつつ、ファイナンシャルプランをともに検討していくことになるでしょう。

例えば、不動産業のFPであれば、個人に住宅や土地を販売する際に、販売後における収支シミュレーションや、不動産や建築関連の各種法律が絡んできます。

金融業であれば、住宅ローンに関する借入シミュレーションや、資産運用、相続に関するアドバイスなどが含まれてくることになります。

独立しているFP(独立系ファイナンシャルプランナー)

筆者もこのタイプに属しますが、独立系FPは、副業や兼業の分野の方も多くいらっしゃるかと思います。

顧客からの相談対応や、原稿執筆、講師などが中心と言われていますが、保険代理店で食べている人が多いとも言われています。

また、FP×士業として、税理士や社労士、行政書士、さらにFP×他資格として、宅地建物取引士や、DCプランナー・DCアドバイザーなどの資格を保有されている方もいるでしょう。

一般的にはCFP®やFP1級(1級ファイナンシャル・プランニング技能士)資格保有の方もいらっしゃいますが、AFPやFP2級、さらには無資格の方もいらっしゃいます。

魅力は何といっても、企業系FPとは違い、縛られず自由に活動できることで幅を広げていくことができる事でしょう。

逆に、自分自身で仕事を探してこないといけない立ち位置であるため、人脈や経験、知識、また得意分野におけるビジネスを熟知していることが重要になってくると考えられます。

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日本ではまだまだ馴染みがないFP(ファイナンシャルプランナー)

FP資格は人気資格で、簿記や宅建、英語などとともに、常に取得したいランキング上位に入ってくる資格です。

筆者として、FPは特に日本においてはまだまだ米国と比べ馴染みがないと感じており、そこから「FPって怪しい」「良く分からない」「何をする人なの?」ということにも繋がっているのかもしれません。

FPの課題という面も含めて少し見ていきます。

CFP®は世界各国で有効な資格

FP協会の「世界のCFP®認定者数」によると、2021年12月末時点で、世界26カ国・地域でCFP®認定者数が20万人を超えているとのことです。

米国がダントツの1位で9万人超、続いて中国の2.6万人、日本の2.4万人と続きます。

これを見ると日本は啓蒙含め比較的頑張っている方に見えますが、まだまだ少ない状況でしょう。

そのような中で、CFP®の難点は、FP1級を並行して取得した方が、CFP®を捨てて更新期限のないFP1級のみに絞られていることもありそうです。

価値が余り変わらないと考えると、FP1級に絞られている方もいらっしゃるのでしょう。

コンサルティングに対する対価(フィー)の風土がない

これはFPに限って言えることではないかもしれないですが、日本ではまだまだコンサルティングに対してフィーを支払う点が、とりわけ個人には浸透していません。

先に触れた企業内FPは、自社の商品・サービスを販売するにあたり、顧客に対するライフプランコンサルティングを無償で受けたりすることもあります。

そういったことから、コンサルティングは無償のイメージもでているのでしょうか。

法人においても、コンサルティングを受けるぐらいなら、特にお願いしないでもできそうなら社内で検討して自費で進める、と考えることも多いでしょう。

ノウハウやスピードをお金で買うかという考え方が浸透していないと言えるかもしれせん。

M&Aなどの手段でも語られることがありますが、外部成長で企業を買収していち早く成長するか、ノウハウを貯めつつ内部成長で着実に成長するか、の論点と近いのではないかと思っています。

お金に関する教育が日本はまだ発展途上である

中学や高校の学校教育においては、ようやく取り入れられて始まってきている感じではありますが、今の大人は子どもの頃にこれらを受けずに育っています。

大人になってから学び直した方は比較的な馴染みがありますが、そうでない方にとっては、「現預金が最強」のような認識もまだまだ多いのが実態ではないでしょうか。

また、お金に関して学べる書籍を2冊紹介します。

分かりやすい学長本ですが、KindleUnlimitedもあります。

こちらも人気のFIRE本ですが、FIREはどうやって財産を築いていくのかを常に考えることとなるため、FP資格やFP業務と結構親和性があると思っています。こちらもKindleUnlimitedもあります。

まとめ

FPはFP資格の人気が高まる一方で、古くからある士業資格と異なり、独占業務もない名称独占であることから、業務の幅が広すぎたり、分かりづらかったりすることも多くあります。

しかしながら、お金や資産に困るのはほぼ全員に当てはまることなので、そこに解決の手を上手く差し伸べられることに対応するのがFPの使命であるとも言えそうです。

まだまだ発展の余地あるFPではありますが、資格としては非常に人気がある中で、今後の価値をどのように生み出していくかが重要になってくるでしょう。

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