FP(ファイナンシャルプランナー)が活用したい不動産知識5選

FP全般
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FP(ファイナンシャルプランナー)2級、FP3級の資格を取得したあとは、実務や実生活で活用される方がほとんどだと思います。

FP資格に限らず、資格は取る事が目的になると非常にもったいない、そんな感じがします。

試験勉強前には中々そういった感覚にはならないと思いますが、FP資格取得はあくまでも手段であり、今後どのように活用していくのがいいかを考えることを目的として、進められるのが良いかと思います。

FP2級、FP3級資格の勉強をされている方にとっては先のお話になるかもしれませんが、不動産に関する用語を出しているので、試験にもつながる内容です。

「取ったら使える資格」であるFP2級とFP3級、その切り口として、CFP®であり、宅地建物取引士、マンション管理士、賃貸不動産経営管理士の資格所有者でもある筆者が、不動産分野を5つの切り口で紹介します。

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FP(ファイナンシャルプランナー)が活用したい不動産知識5選

今回は、FPで学んだ知識を上手く応用する観点から、以下の5つのポイントで記載します。

1.実務や実生活と不動産 不動産に関する評価や法律、税、そして活用の重要性
2.不動産の評価     不動産はどのようにして評価を行うのか
3.不動産に関する法律  コンプライアンスを遵守して不動産の活用を
4.不動産に関する税   支出となる税について入れておきたい基礎知識
5.不動産の有効活用   遊休資産は有効資産へ

すぐに理解するのは難しい観点ですが、FPとしては概要だけでもいいので、頭に入れておいて損はない不動産関連の項目です。

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実務や実生活と不動産

普段我々が生活するうえで、あらゆる人にとって不動産との関係は切っても切れない関係にあります。

家を買う時や借りる時には、地価や立地が影響し、それが購入や賃貸価格に紐づいて来ます。

さらに購入するときや借りる時には契約があり、借りる場合は借りた場合の専門の法律に縛られ、また分譲マンション住まいになるとマンション独自の法律に縛られることとなります。

そして、定期的には不動産に関連する税金の支払いがあり、また遊休の土地や建物があれば上手く運用したいというニーズも生まれます。

今回は、不動産の評価と法律、税金と活用について触れていきます。

不動産の評価

不動産の評価については、公示価格や基準地標準価格、相続税評価額(路線価)、固定資産税評価額がおもな土地価格の指標として挙げられます。

これらはFP2級やFP3級でもおなじみの用語ですが、一般的に我々が地価として気になる指標でもあります。

自分が住んでいる近隣の価格等の目安や、不動産売買の際の目安としても重要指標となっています。

不動産に関する法律

不動産系の法律は、不動産の売買や住まい、更に周辺の建築関連まで含めると多岐に渡り、全ての理解は難しい所ではあります。

業務で使用する方については、特に不動産会社の場合は宅地建物取引業法や借地借家法は非常に重要なものになりますし、住民という立ち位置からした場合は、不動産登記法や区分所有法は必ず触れることになる法律とも言えます。

そのような法律において、家を借りる場合や、買う場合、また建てる場合など、実生活で関わってくることもあるため、折角FPを取ったなら障りだけでも普段の生活で意識しておくのが良いと思っています。

不動産関連の税

不動産を取得する場合においては不動産取得税が徴収されますし、土地や建物等の固定資産を持っていると固定資産税も徴収されます。

さらに、都市に住んでいると都市計画税も徴収されますので、これらは普段の生活では関わってくる税金になります。

不動産の有効活用

もし自分自身の住まい以外で土地や建物を持っている場合、その遊休不動産を上手く活用させて収益化する事も考えられます。

遊休不動産を保有していなくても、新たに融資を受けることで、不動産を購入し、運用する事で収益を得る手段もあるでしょう。

不動産の有効活用は、FP資格を持つ個人事業主における新たな事業化手段として、考えられるかと思います。

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不動産の評価

具体的に不動産の評価として、各指標を見て行き、どのような点で実業や実生活で活用できるのか、具体的にイメージしてみます。

今回FP2級、FP3級試験でも頻出の4つの指標について、見て行きたいと思います。

  公示価格 基準地標準価格

相続税評価額
(路線価)

固定資産税評価額
内容 土地取引の価格の目安 土地取引の価格の目安として公示価格を補完するもの 相続税、贈与税の計算の基礎となるもの 固定資産税、都市計画税、不動産取得税などの計算の基礎となるもの
基準日 毎年1月1日 毎年7月1日 毎年1月1日

1月1日
3年に1度評価替え

評価水準(公示価格が100%) 100% 100% 80% 70%
決定機関 国土交通省(土地鑑定委員会) 都道府県 国税庁 市町村

公示価格

公示価格は、土地取引を行う基準として定められたもので、毎年1月1日を基準としています。

1地点において不動産鑑定士が2名以上により鑑定評価をもとに価格が決まります。

都市計画区域内で、不動産取引が行われると想定される土地が対象となっており、町中での土地価格を中心に算定されると考えられるでしょう。

自らが住んでいる土地の地価がいくらぐらいで取引されているのかの目安として使用できるものとも言えます。

基準地標準価格

基準地価格は公示価格と同様ですが、違う点としては、毎年7月1日を基準日として、1地点につき不動産鑑定士1名以上の鑑定評価で決定します。

さらに都市計画区域外も含まれるため、地方都市や、都市中心部ではないところも評価されます。

地方にお住まいの方や、地方に移り住むことを検討する場合等の地価について、予め調べることでアタリを付けることが出来るでしょう。

相続税評価額

相続税評価額は、相続税や贈与税の計算の基準となる価格で、公示価格の80%で計算されます。

相続や贈与は頻出の課題であり、FP試験でも科目があるぐらいの頻出テーマでもあるので、実務で行っていない場合でも触れる可能性は出て来ると想定されます。

その場合の目安ですが、「公示地価の8割」で算出されることをイメージしておけば、税金計算時の目安として算定しやすいものであると言えます。

固定資産税評価額

自宅等の固定資産を保有している場合には、固定資産税や都市計画税、または取得段階の不動産取得税は頻出の税になります。

毎年支払う必要がある固定資産税や都市計画税は、3年に一度の評価替えがあり、そこによって税額が変動することとなります。

公示価格が上がると自然と固定資産税や都市計画税は上がるというイメージをすることが出来ますが、「公示価格の7割」が税金計算のベースとなるとイメージしておけば良いでしょう。

後述する「固定資産税」にて、税額計算について触れたいと思います。

不動産に関する法律

生活するうえで切っても切れないのが法律関係です。

業務で取引を行う場合は遵守しながら取引するのは当然ですが、我々が住む場合においても遵守しなければならない法律があるので、その点も意識しながら確認してみます。

不動産登記法

まず、不動産を購入する際には、登記という手続きが必要ですが、そこにおいては不動産登記法に従って登記されることとなります。

登記については、表題部と権利部に分かれているというのは、FPテキストでも一般的に出て来るところですが、表題部に関する登記が表示の登記、権利部においては甲区と乙区に別れ、甲区は所有権に関する登記乙区は所有権以外の権利に関する登記というのが基本的な考え方の所です。

特に普段物件を購入する場合においては、「所有権」としての権利部甲区、そして、銀行から融資により、購入物件に抵当権設定がなされたときには、「所有権以外」として権利部乙区に記載されることになります。

物件を購入されたことがある場合には、必ず登記簿謄本が存在するので、確認してみると記載があるかと思います。

また今後物件の購入を検討されている場合には、自分自身の所有権の記載がどこになされるのかも確認することが出来ると思います。

また中古物件を購入した場合には、登記の履歴が自分が記載されている上部にこれまでの所有者を確認する事もできます。

宅地建物取引業法

物件を購入する場合や、借りる場合について、関わってくることがこの法律ですが、不動産屋さんが売買や賃貸借契約(大家の物件除く)を締結するときにはこの法律に従って実施することが義務付けられています。

特に、媒介契約書(34条書面)、重要事項説明書(35条書面)、契約書面(37条書面)という3つの書面のやり取りが重要なもので、特に35条の書面の記名押印と具体的な説明、37条の書面の記名押印は宅地建物取引士でないと出来ないという縛りがあります。

FPとしても不動産業に従事する場合は頻出ですが、それ以外の場合は買うか、借りるかの場面ぐらいになるかと思います。

借地借家法

土地を借りたり建物・住居を借りたりする場合には、この法律が絡んできます。

一番イメージしやすいのは、賃貸物件を借りる場合ではないかと思いますが、定期借家権や普通借家権といった権利義務に縛られることとなります。

契約上の義務に加え、造作物を自ら付けた場合の取り決めや、敷金の返還についてなども普段の生活に関わってくるものであると言えます。

実は筆者が不動産法の中では一番理解が進まない苦手な法律が借地借家法でした。

区分所有法

逆に筆者が業務や生活双方で一番関わっている法律が区分所有法ですが、分譲マンションを購入して住む場合には、必ず必要となってくる法律です。

法律自体は、管理組合を置いて、集会(マンション管理組合総会)を開き、規約を定めて管理者(理事長など)を置くことなどを定めています。

エレベータや廊下等共有部分と専有部分(住戸)を定めることや、共用部分のあらゆる取り決めなどについて、決められています。

法に従って別途、管理規約がマンション毎に定められていますが、そこで遵守すべき事項等が記載されることが一般的です。

建築基準法

建築基準法は、建物を建てる時や土地を購入する時など、売買、賃貸における重要事項説明において重要で、FPにおいては宅建士として兼務であり不動産系の業務をする場合には関わってくるかと思います。

一方で、実生活においては、建てる場合や借りる場合に、住まいがどのような環境にあるのかなどの確認ぐらいであり、実際に活用することはあまりなさそうです。

用途制限や容積率や建ぺい率、接道義務といった点ではFP試験でも頻出の内容ですが、筆者の経験でも実生活で直結するところは余り多くなさそうです。

不動産に関する税

不動産に関する税金関係は、実は普段の生活において一番金銭的には目に見えるものであり、気になる事項であるかもしれません。

固定資産税・都市計画税については毎年納税通知書とともに振込用紙が送られてくることに気づくかと思いますが、紛失しないようにする必要があります。

また、FP試験のテキストにある通り、各税金においては特例措置があるので、その点は減税に寄与するものでもあります。

不動産取得税

不動産を取得した場合に都道府県が課税する税金であり、不動産の売買や建築(新築、改築、増改築)等において発生します。

FP学習で頻出ですが、相続や法人の合併には課税されません。

ただし、夫婦間における贈与や、相続時精算課税制度の適用を受けた場合においては課税対象になる点に注意が必要です。

東京都の例になりますが、参考までにリンクを掲載しておきます。

固定資産税

固定資産税は毎年1月1日(賦課期日)現在の所有者で、土地・家屋や償却資産について自治体に登録している人が対象になります。

また、固定資産税は住まいの自治体によって期限が変わってきます。

固定資産を保有していると、あるタイミングに納税通知書(振込用紙)が送られてきて、期日までに振り込む必要があります。

第一期から第四期までのそれぞれの期日があり、例えば東京23区内だと以下の通りとなっています。

筆者の自治体では一括振込と、分割振込用の振込用紙が送られてきますが、普段の生活におけるキャッシュフローの効率化の観点から、分割で振り込むようにしています。

自治体により各期日が違いますので、お住いの自治体の期日を確認して、振込漏れが無いようにすることが重要です。

ちなみに筆者の場合は、固定資産税の振り込み案内が来た段階で、Googleカレンダーに4回分、伝票番号とともに登録して、期日までにオンラインバンキングを活用して手数料無料のペイジーで振り込むようにしています。

この方法はやや面倒ですが、FP資格者についてはアドバイスする側であり、うっかり忘れていると延滞税も掛かってしまうので、遅滞なく納税する習慣を持っておくことが望ましいと考えています。

参考までに東京都の延滞金の計算方法について貼っておきます。

都市計画税

前述の固定資産税と合わせて納税通知書が送られてきて、その中に都市計画税と固定資産税が併記されています。

都市計画税は、都市の計画整備などの費用に充てるための目的税であり、原則として都市計画法による市街化区域内の土地や家屋の所有者に課税されます。

固定資産税と同様、都市計画税も毎年1月1日(賦課期日)現在の所有者で、土地・家屋について自治体に登録している人が対象になります。

不動産の有効活用

最後に、不動産の有効活用についてです。

相続や購入により土地や建物を取得した場合には、遊休不動産を活用することが考えられます。

この点はFP資格取得が副業等新たな収益化手段として、今後実務に結び付く可能性もあるので、具体的に触れてみたいと思います。

土地の有効活用

売却する場合は別ですが、親族から譲り受けた土地をなんとか有効に活用したいというニーズは非常に高いと思います。

特に都市部においては不動産の価値も高額なため、持っているだけで多額の税金が掛かってしまいます。

その土地に何とか働いて貰ってその収益で税金を賄う、願わくは、更に収益化する事で不動産収入を得たいと思うのが普通でしょう。

一般的には、土地の活用方式としては

①自己建設方式 全て自分で考えてやる方法
②事業受託方式 業者に任せてやる方法
③土地信託方式 信託銀行に任せて配当を受け取る方法
④等価交換方式 土地を譲渡して建設後の建物を受け取る方法
⑤定期借地権方式 一定期間の間土地を貸し出す方法
⑥建設協力金方式 入居予定のテナントが出資をする方法

がありますが、①は全て自分でやるためリスクが高く手間が掛かる一方で、成功すれば全て自分に入ってくるハイリスクハイリターン型とも言えます。

一方で、②③④などの専門業者に任せる方法は、ミドルリスクミドルリターン、またはローリスクローリターン型だとも言えます。

別で事業を持っていたり、サラリーマンであると①は難しいので、それ以外に親和性のある方法を取っていくことになるかと考えられます。

不動産投資の収益化

前述の通り、不動産投資を行った場合には、投資が上手くいっているかのチェックが欠かせません

テキスト通りに行くと、表面利回りや実質利回り(NOI)といった指標や、将来価値を考えるDCF(ディスカウントキャッシュフロー)法、NPV(正味現在価値)法、IRR(内部収益率)法などが考えられます。

表面利回りやNOIで実施する場合は、年間ベースとして直近の判断の良し悪しとして参考になりますが、長期将来的なイメージを持つのは難しい点はあります。

逆に将来価値を考える指標は、長期将来的なイメージを持つのは出来ますが、割引率一つで目標値が変わってしまったりしてシミュレーションのブレも大きくなるので、定期的に想定通りになっていくものなのかの試算も必要になってきます。

参考までに、一部指標を記載しておきます。

表面利回り(%)=年間収入合計÷投資総額×100
実質利回り(NOI利回り)(%)=純収益(年間収入合計‐年間費用)÷投資総額×100
現在価値=将来価値×割引率(複利原価率)

シェアハウスの活用

AirBnBに代表されるように現代風なのが、空いている家屋やマンションの一室を貸し出すという考え方です。

空き家が社会問題化する中で、賃貸住宅として貸与するのは一つの有効的な手段であるかもしれません。

ここは自前でやると本業でやるぐらいでないと難しく、加えて手間も非常に掛かるため、サラリーマン大家としてやる場合は外部に任せる等を検討する必要があります。

詳しくは国土交通省のガイドライン

https://www.mlit.go.jp/common/001207549.pdf

に記載がありますが、シェアハウスをやる場合はおおむね次の3タイプになります。

  自主方式 委託方式 サブリース方式
運営管理方式の概要 住宅所有者が、入居者募集~入居者との賃貸借契約の締結~入居中の運営管理~退去手続きまで基本的に全て行う方式 住宅所有者は入居者との賃貸借契約の締結などは行うが、一部の運営管理業務を運営管理事業者に委託する方式 住宅所有者は運営管理事業者に物件を賃貸し運営管理事業者が入居者に転貸する方式で、運営管理は全て運営管理事業者が行う
契約主体 住宅所有者 住宅所有者 運営管理事業者
空室リスク 住宅所有者 住宅所有者  運営管理事業者
修繕リスク 住宅所有者 住宅所有者  運営管理事業者
メリット ・運営管理のコストを抑えることができる
・入 居 者と直 接コミュニケーションをとることができる
・運営管理の大部分を運営管理事業者が行うため、住宅所有者の負担が少ない ・運営管理のほぼ全てを運営管理事業者が行うため、住宅所有者の負担が最も少ない
デメリット ・運営管理負担
・入居者とのトラブルが発生した場合に対応を求められる
・空室リスクを負う
・運営管理事業者に管理委託費を支払う必要がある
・空室リスクを負う
・他の方式と比較して、賃料収入が最も少ない
・契約内容によっては運営事業者からの契約解除や賃料減額が可能となることに留意する必要がある

※国土交通省 シェアハウスガイドブックより一部抜粋

まとめ

今回は不動産に関して、実務や実生活でどのように活用できるかを中心に記載しました。

大枠FP2級、FP3級のテキストに記載されていることを記載した形に近くなっていますが、それだけ実務や実生活で親和性が高いのかとも思います。

FPの受験勉強や資格取得を通じ、得意分野との掛け算で実務や実生活に活かして頂けますと、筆者としても大変光栄です。

1.実務や実生活と不動産 不動産に関する評価や法律、税、そして活用の重要性
2.不動産の評価     不動産はどのようにして評価を行うのか
3.不動産に関する法律  コンプライアンスを遵守して不動産の活用を
4.不動産に関する税   支出となる税について入れておきたい基礎知識
5.不動産の有効活用   遊休資産は有効資産へ

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