FP(ファイナンシャル・プランナー)になるために資格は不要
なのはご存じでしょうか?
FPには必ずしも、資格が必要という要件は定められていません。
筆者もFPについてよく分かっていなかったときは、何度も調べたりしていました。
かつての筆者と同じように感じてしまう方のために、今回は
・資格が無くてもFP(ファイナンシャル・プランナー)を名乗っても問題ないのか知りたい
・一方で資格を持っているFP(ファイナンシャルプランナー)にはどのような特徴があるのか知りたい
このような疑問に答えます。
筆者は、
登竜門であるFP3級から学習を開始して、FP2級、AFPを経て上位資格であるCFP®資格とFP1級を取得しています。
FP資格を持っておらず活動しているFP
持って活動しているFP
それぞれについて、わかりやすく解説します。
FPになる為に資格は必ずしも必要ありません(名称独占の国家資格)
今回紹介する内容は、
・資格が無くてもFP(ファイナンシャル・プランナー)を名乗っても問題ない理由
・肩書が名乗れる名称独占資格3選
マンション管理士
中小企業診断士
1級、2級、3級の各ファイナンシャル・プランニング技能士
・FP資格を持っているFP(ファイナンシャルプランナー)の特徴
から構成されています。
何故資格が不要なのかを解説
FP資格は無くても業務ができること
FPを名乗っても問題ない理由
を紹介します。
そして、
肩書を付けることができるおもな国家資格をFPを含めて3つ
資格を持っているFPにはどのような特徴があるのか
についても紹介します。
FP(ファイナンシャルプランナー)はなぜ資格が不要なのか
ファイナンシャルプランナーは、
個人の資産設計に関するあらゆることを提案する個人向けコンサルティング
がおもな業務です。
個人に対するコンサルティングの業務においては、特に法的な規制があるわけではなく、誰でもアドバイスをすることができます。
その範囲内であれば、資格は必ずしも必要ではないからです。
保険会社や不動産会社において、FPの実務経験や営業スキルが有れば、必ずしも資格が無くても顧客に対して提案できるでしょう。
一方で、資格の有無に関わらずFPと近接する業務である、
税務や法務
宅地建物の売買等を行う場合
などは、それぞれ
税理士や弁護士・司法書士
宅地建物取引士
という、資格を持っている方しかできないこともあります。
士業をはじめとした資格者が持つ独占的業務に踏み入ることはできません。
しかしながら、一般的な解釈で顧客である個人への提案は、無資格者でも可能です。
資格が無くてもFP(ファイナンシャル・プランナー)を名乗っても問題ない理由
さらに、FP資格が無くても、FPを名乗っても問題ありません。
FPは資格名を表す言葉ではなく、誰が名乗ってもいい肩書だからです。
ただ、実際に業務をされている方は
国家資格であるFP1級(1級ファイナンシャル・プランニング技能士)やFP2級(2級ファイナンシャル・プランニング技能士)、民間資格であるCFP®やAFPなどのFP資格を持っている方が多いです。
もしFP資格を持っておらずFP業務をやろうとする場合でも、
「私はFP(ファイナンシャルプランナー)です」
といっても何ら問題ないと言えます。
資格者のみ名乗れる:1級ファイナンシャル・プランニング技能士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、3級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®、AFP
名刺や履歴書を見て、具体的な資格名が記載されている場合は、資格取得者です。
一方で
「ファイナンシャル・プランナー」
という肩書のみが記載されている場合、資格取得者ではない可能性があります。
肩書が名乗れる名称独占資格3選
具体的に、誰でも業務は行うことはできるものの、名刺や履歴書等に記載できる肩書として名乗れる国家資格として、
名称独占資格
と一般的に言われるものがあります。
コンサルティング業務が多い、おもな名称独占資格を紹介します。
マンション管理士
まず、筆者も取得して活動しているマンション管理士についてです。
マンション管理士試験を実施している、マンション管理センターの説明を引用します。
やや1文が長いですが、試験に合格して登録すれば、マンション管理士の名称を用いて管理組合等のコンサルができるということです。
名称を用いてというのが、名称独占資格の特徴です。
マンション管理士は、最近では管理組合が自治体向けの管理計画認定書類を提出する場合、研修を通じて認定されたマンション管理士のみしかできない、独占に近い業務も出てきました。
しかしながら、まだ名称独占資格という認識が一般的です。
マンション管理士でなければできない業務は上記以外にありません。
中小企業診断士
代表的な名称独占資格である、中小企業診断士についても見ておきます。
中小企業診断協会の説明を引用します。
中小企業診断士制度は、中小企業者が適切な経営の診断及び経営に関する助言を受けるに当たり、経営の診断及び経営に関する助言を行う者の選定を容易にするため、経済産業大臣が一定のレベル以上の能力を持った者を登録するための制度です。
法令上の条文に、マンション管理士のように名称独占資格であるような記載は有りません。
これは、国家登録をすればその資格を得たこととなるため、敢えて名称独占という指定をしなくても、資格者として名称使用が担保されることから来ていると考えられています。
歴史のある中小企業診断士と、歴史が浅いマンション管理士の違いかもしれません。
中小企業診断士は独占資格はないと言われています。
しかし、商工会議所の経営相談や自治体の審査(コロナ融資のための自治体の認証取得)は中小企業診断士が窓口で対応していることもあります。
独占とまではいかないものの、中小企業診断士が実施する業務はあるといえます。
ファイナンシャル・プランニング技能士
そして、ファイナンシャル・プランニング技能士です。
筆者は省略してFPやファイナンシャルプランナーとして記載したりしています。
本来FP2級は
「2級ファイナンシャル・プランニング技能士」
と記載しなければなりません。
FP技能検定とは
同じく、FP1級、2級、3級についてです。
当ブログではお馴染みのFP試験団体でもある日本FP協会から引用します。
FP技能検定には、1級、2級、3級の等級があり、それぞれに学科試験と実技試験が設けられています。
学科試験と実技試験は同日に実施され、両方の試験を受検可能です。
日本FP協会の学科試験は2級、3級のみで1級の実施はなく、実技試験の科目は1級、2級、3級いずれも「資産設計提案業務」となっています。
学科試験と実技試験、両方に合格すると合格証書が発行され、等級ごとに「ファイナンシャル・プランニング技能士」と名乗ることができます。
また、学科試験もしくは実技試験のいずれかに合格すると一部合格証(兼結果通知)が発行され、「合格した試験実施日の翌々年度末」までに限り、次回以降に合格している試験を免除できます。
こちらも明確に、
等級ごとにファイナンシャル・プランニング技能士と名乗ることができる
と記載があり、名称独占資格であることが分かります。
FP資格に現時点で独占業務はない
FPは前項にあげたマンション管理士や中小企業診断士に比べ、自治体や国が絡むような独占に近い業務はない印象です。
そのため、FP業務上に活かす形が多いのではないかと考えられます。
もちろん独立され、士業的な立ち位置で業務をされている方も多数いらっしゃいます。
自治体等の(独占的)業務よりも自身の業務に活かす形が多い印象です。
FP資格を持っているFP(ファイナンシャルプランナー)の特徴
FP資格を持っているFPは、知識の裏付けとしてその業務を活かすために大半は名刺やホームページの自己紹介に、資格取得していることを記載されているでしょう。
ファイナンシャル・プランニング技能士ならびに、AFP、CFP®それぞれのFP資格者の特徴を簡単に紹介します。
各級のファイナンシャル・プランニング技能士取得者
職業能力開発促進法第47条の規定により、定められた国家資格者です。
FP3級はFP初心者レベルですが、それでも立派な国家資格者に位置づけられます。
また、FP2級以上はある程度の国家資格取得者として認められることとなり、名刺への記載等も有効です。
2級はFP資格者としての一般的な知識を備えており、上位の1級はより高度な知識と実務経験を兼ね備えている証であると言えるでしょう。
AFP、CFP®認定者
AFP、CFP®認定については、日本FP協会が独自に定める民間資格です。
それぞれFP2級、FP1級と同等の位置づけにあります。
日本FP協会において、
・継続的に単位を取得すること
・協会が定めた会員倫理規程を遵守すること
が義務付けられています。
期間中に日本FP協会が認定する単位取得講座や活動において、
AFPは15単位
CFP®は30単位
取得しなければなりません。
期間中に単位が取れないと資格を失ってしまいます。
そのため、AFP,CFP®を継続的に名乗るには、単位取得を継続する必要があります。
その点においては、資格更新や単位取得も必要がないファイナンシャル・プランニング技能士よりも一定のハードルがあり、スキルやFPとしての自覚、倫理が備わっているかもしれません。
また、金融庁が公表した「顧客本位の業務運営(フィデューシャリー・デューティー)の原則」とも整合が取られており、厳格な位置づけがなされている資格と言えます。
まとめ FP資格は不要だけどあるとより有利
FP(ファイナンシャル・プランナー)に資格は必ずしも必要ありません。
しかしながら、知識を取得し試験に合格し、顧客のために倫理規程も遵守しなければならない資格取得者と、そうでない無資格者は、見え方的にも一定の差がつくことも考えられます。
まずはベースとなるスキルを付けるべく、FP2級、AFP認定を目指すところから始めるのも一つのキャリアプランとして有効でしょう。
FP資格取得のメリットと資格の活かし方(きっと成果に繋がる)
テキスト紹介
通信講座紹介
コメント