今回はFP2級の合格率と合格のための対策について見ていきます。
FP2級は、FP3級に比べて合格率が格段に下がりますが、しっかりと学習していれば勿論十分に手が届く試験です。
FP2級に合格すれば、FP協会のAFP資格は簡単に取得できるので、道は開けて来る資格でもあります。
筆者はFP3級から勉強を始め、FP2級、AFP、CFP®、FP1級を1年半で取得しています。
その筆者が、合格対策についても踏み込んで解説します。
FP(ファイナンシャルプランナー)2級の合格率
FP2級についても、FP協会ときんざいの合格率について見てみます。
こちらもFP3級同様、特徴が出ており非常に興味深いものとなっています。
FP2級の難易度
その前に、FP2級の難易度についてです。
FP協会の2級FP技能検定試験要綱によると、
1)日本FP協会認定の AFP 認定研修を修了した者(修了証明書の保持者)
2)3級FP技能検定の合格者、金融渉外技能審査3級(旧審査試験)の合格者
3)FP 業務に関し2年以上の実務経験を有する者
・「書面申請手続き」「⑮受検資格 3」の項目に記載の業務内容に該当し、2 年以上の経験がある場合に認められます。
・実務経験については、自己申告ですのでご自身でご判断ください。
・虚偽や不正が発覚した場合、試験の停止、採点の除外、合格の取消しを行う場合があります。
※ 1)、3)いずれも受検申請締切日までに研修修了しているか、2年以上の実務経験を有するものに限ります。
とあります。きんざいの受験資格の記載もほぼ同様となっています。
ちなみに、「⑮受検資格 3」の項目に記載の業務内容は以下のとおりとなっています。
※FP協会 2022年9月級ファイナンシャル・プランニング技能検定(資産設計提案業務)試験要綱より
実務経験は自己判断ということになっておりますが、筆者の場合は、実務経験があったにも関わらず、この条項を良く知らなかったため、2)のFP3級合格で条件を満たして受験しています。
実務経験が十分あり自信のある方であれば、FP2級からの受験でも十分です。
FP2級の合格率の推移
続いて、FP2級の合格率の推移です。
FP協会のFP2級合格率
FP協会の合格率の推移から見て行きます。
学科試験は40~56%で推移しており、対して実技試験は50~71%で推移しています。
試験年月 | 学科試験 | 実技試験 |
2024年5月 | 59.29 | 54.87 |
2024年1月 | 39.00 | 61.12 |
2023年9月 | 53.54 | 52.02 |
2023年5月 | 48.82 | 58.61 |
2023年1月 | 56.12 | 59.13 |
2022年9月 | 42.16 | 56.55 |
2022年5月 | 49.20 | 62.11 |
2022年1月 | 41.51 | 56.33 |
2021年9月 | 50.56 | 60.26 |
2021年5月 | 55.61 | 66.67 |
2021年1月 | 44.02 | 71.01 |
2020年9月 | 49.19 | 57.37 |
2020年5月 | 中止 | 中止 |
2020年1月 | 41.86 | 62.61 |
2019年9月 | 43.42 | 62.63 |
2019年5月 | 40.17 | 62.65 |
2019年1月 | 48.26 | 50.31 |
2018年9月 | 39.47 | 50.52 |
平均 | 47.19 | 59.10 |
日本FP協会試験結果データより抜粋、筆者が独自集計
単位:%
合格率の傾向は?
学科はおおむね半分ぐらいの合格率となっているため、会場を見渡せば、半分は不合格になる可能性があるという割合です。
記念受験組や空席が目立っていれば、しっかりと勉強して臨めば合格率は7~8割程度と考えておいていいのではと思われます。
実技は6~7割程度とやや上がります。
学科と実技の掛け合わせで、一番合格率が低かったのは、2018年9月に実施された19.94%(学科39.47%×50.52%)となり、実はストレートに合格するとなると、2割を切る難関資格となります。
高い時でも、2021年5月の37.08%(学科55.61%×実技66.67%)となり、3人に1人程度まで下がります。
学科試験は2時間で4択60問を解ききらないといけないので、それなりのスピード感が必要になりますので、その分の難易度があるのではと考えられます。
一方の実技は、1時間半の間に40問ですが、こちらは4択と穴埋めや数字の記入等がありますので、単純な〇×ではない分、更に考えないといけない試験です。
筆者は、FP3級合格後約300時間学習した結果、2021年1月試験で、学科は51/60(85点)、実技は94/100で合格したので、やはり学科は若干難易度が上がっていたのかと考えられます。
ちなみにこの年のストレート合格率は、31.26%(学科44.02%×実技71.01%)でした。
きんざいのFP2級合格率
続いて、きんざいになります。
試験年月 | 学科試験 | 実技<個人> | 実技<中小> | 実技<生保> | 実技<損保> |
2024年5月 | 29.70 | 38.77 | ― | 53.18 | ― |
2024年1月 | 13.27 | 37.11 | 53.58 | 45.27 | ― |
2023年9月 | 22.75 | 41.36 | 35.92 | 40.17 | 60.07 |
2023年5月 | 17.51 | 39.76 | ― | 39.20 | ― |
2023年1月 | 29.07 | 34.09 | 62.98 | 31.90 | ― |
2022年9月 | 15.75 | 41.54 | 39.80 | 32.54 | 72.92 |
2022年5月 | 22.11 | 31.44 | ― | 34.32 | ― |
2022年1月 | 19.50 | 39.69 | 57.84 | 50.94 | ― |
2021年9月 | 25.46 | 42.48 | 59.75 | 33.92 | 68.49 |
2021年5月 | 33.82 | 42.81 | ― | 47.18 | ― |
2021年1月 | 23.42 | 36.00 | 64.12 | 54.96 | ― |
2020年9月 | 33.10 | 33.71 | 57.54 | 60.73 | 58.62 |
2020年5月 | 中止 | 中止 | ― | 中止 | ― |
2020年1月 | 28.81 | 33.13 | 55.81 | 45.88 | ― |
2019年9月 | 20.97 | 31.72 | 55.49 | 50.80 | 67.22 |
2019年5月 | 20.88 | 25.77 | ― | 54.73 | ― |
2019年1月 | 31.11 | 36.93 | 33.98 | 40.06 | 50.00 |
2018年9月 | 21.45 | 20.47 | 41.97 | 37.42 | 54.61 |
平均 | 23.69 | 35.50 | 51.57 | 43.75 | 61.70 |
実技全体平均 | 45.48 |
きんざい試験結果データより抜粋、筆者が独自集計
単位:%
合格率の傾向は?
学科試験は、15~33%程度で推移し、実技試験は科目、最近の傾向として低い時で31%程度、高い時で72%程度で推移しています。
きんざいは、一説には会社で受けざるを得ない状況にあるからではなどと言われていますが、FP3級同様、低い傾向はかわりません。
ちなみに、一番低い年の学科試験と実技試験の掛け合わせを考えると、2018年9月に学科試験と、実技<個人>を受けた場合の双方の合格率を掛け合わせると、21.45%×20.47%=4.39%と超難関国家資格並みの合格率となってしまいます。
100人受験して4人しか合格できないとなると、ハードルはかなり高い見え方になりますよね。
ただ、受かる人は双方受かる傾向もあるので、しっかり対策している方にとっては、可能性は高いでしょう。
合格するための対策を4つ紹介
FP3級と違い、ストレート合格するにはそれなりの学習が必要となってくるFP2級ですが、上記の合格率を見てみると、60点取るためにある程度の学習の確保は必要となってきそうです。
おもな4つの対策とは?
②短時間では難しいので、試験日(ゴール)からの逆算思考が大切
③勉強方法は独学か通信か、または通学かの判断が必要
④独学、通信の場合は自分のペースがいるが、FP3級同様アウトプットを中心とした学習が大切
まずは合格に向けて集中して取り組みたい所です。
①については、時間が避ければ避けるほどいいですが、申し込みした場合は全力で行く必要があります。特に記念受験気分で受けると、足元を救われるので、時間が無くても全力で行くことにより、可能性は出てきます。
最悪の場合でも、引き続き頑張れば次回は必ず合格できますので、最後まで諦めない気持ちが大切です。
②については、試験日までに何が出来るのか、残された時間から逆算していくことが非常に重要になってきます。
特に3,4ヶ月で合格を狙う場合は、やり漏れが無いように網羅していく必要がありますので、得意科目については絶対に落とさないようにし、苦手科目については半分は取れるぐらいで合格点の6割の帳尻を合わしていくことが大切です。
③については、残すところ3か月程度でも十分時間も確保できますが、通学は効率が悪いので、選択肢としては通信か独学が望まれる所でしょう。
通信の場合の学習の方法は?
通信の場合は、
・お試しで1か月980円(税込1,078円)で試すことが出来るオンスク.JP。仮に合わなかった場合にはリスク最小限に撤退して、他の勉強方法に切り替える事もできます。一方で、また継続するなら宅建や証券外交員二種等、他の資格への転用も利きます。
・紙のテキストで講座が充実しているアガルートアカデミーやフォーサイトも定番
この辺りは比較検討してみるのがいいかと思いますが、細かく比較検討した攻略法も紹介したいと思います。
語呂合わせもお世話になり、今でも覚えていて使っているぐらいなので、実務でも重宝するでしょう。
独学の場合の学習の方法は?
独学の場合は、
・テキストは、やはりおーちゃんTVとの親和性で、FP2級版のイメージで攻略 わかる!受かる!! FP2級AFPテキスト&問題集がお勧め。語呂合わせは動画との親和性があるので、疑似的な通信教育として機能する
・問題集は、受かる!! FP2級テキスト&問題集もいいですが、無料でやるならFP3級同様、FP2級ドットコムの過去問道場が非常に優れている
④のアウトプット学習については、受かる!!や過去問道場を用いて、繰り返し解くことで、ここに時間を最大限割く(インプット学習:アウトプット学習=1:3)ことで、定着を図っていくことが非常に大切なポイントです。
まとめ
FP2級を突破するとその後のキャリア形成の幅がFP3級に比べてかなり開けるので、是非自分なりの攻略方法で合格を勝ち取って欲しいと思っています。
今回はFP2級の合格率について記載しましたが、最後は合格のポイントについても少し触れてみましたので、参考になれば幸いです。
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