週刊ダイヤモンドの手取りが増える大全のポイント【是非実践したい】

FPトピックス
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少し前ですが、週刊ダイヤモンドの23年8月26日号の記事を読みました。

ベテランCFP®の方が多くの箇所で特別協力されているとのことで、興味深い記事でした。

FPの方もそうですが、FP資格受験生の方にもお馴染みの内容が掲載されていたので、

学習の息抜きに確認頂ければと思って紹介します。

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週刊ダイヤモンドの手取りが増える大全のポイント【是非実践したい】

今回紹介する週刊ダイヤモンドですが、記事の中でも手取りの増やし方にフォーカスした興味深い内容となっていました。

今後、国の施策による増税やさらなる高齢化の進行による社会保険料の増額により、

手取りが減少する未来も今では見えてきています。

ベテランCFP®の方の解説で、基本的な内容とともにどうやったら手取りを増やすことができるのか、細かいシミュレーションも掲載されています。

FP実業務や業務上ではなくても、自分自身へのシミュレーションとしても活用できるでしょう。

手取りを増やせるワザがある

手取りを増やせるワザ10連発としては以下の様な内容が紹介されていました。

・NISA
・iDeCo
・住宅ローン減税
・医療費控除
・ふるさと納税
・親の扶養控除・障害者控除
・子どもの国民年金
・世帯分離
・退職日と「退職所得控除・失業保険」
・住民税非課税世帯の罠

また、これまでも社会保険や増税の影響もあり、給与や年金収入における手取り額が

年々減少している傾向にあります。

年々手取りが減少していっている

しっかりと履歴を確認していないと具体額は分からないかもしれないですが、

以下のような金額の減少がでています。

年収700万円の人の手取り額:2002年587万円→2010年565万円→2016年538万円→2023年536万円
年金収入300万円の人の手取り額:1999年290万円→2008年265万円→2023年253万円

年収700万円の人にとっては、

21年間で51万円もの手取りの減少で手取り率が83.9%→76.6%(▲7.3%)

年金収入300万円の人は

24年間で37万円の減少で手取り率が96.7%→84.3%(▲12.4%)

と大きく減少しています。

入金した時には知らず知らずのうちに収入から引かれている税金や社会保険料ですが、

今後はさらに手取りが減ることも考えられるでしょう。

今回は手取りの増やし方として、節税と控除、さらに年金の切り口で、

ダイヤモンドの記事からピックアップして、筆者の考えも交えて具体的に紹介します。

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節税の観点からの手取り増

まずは誰もが気になる節税の観点からの紹介です。

特に国が推奨する3大節税施策として、

「新NISA」「iDeCo」「ふるさと納税」

が挙げられていますので、具体的に考えておきたい対策を紹介します。

新NISA

NISAについては2023年までは、

・一般NISA(年120万円上限/5年)
・つみたてNISA(40万円/20年)
・ジュニアNISA(80万円/5年)

でしたが、2024年から新NISAとして以下のように変更になります。

新NISAの内容

・非課税保有限度額は1,800万円まで(うち成長投資枠が1,200万円まで)
・年間投資の限度は積立投資枠(120万円/年)、成長投資枠(240万円/年)で合計360万円/年
・非課税保有期間は制限なく無期限化
・つみたて投資枠は現行のつみたてNISAと同様の商品、成長投資枠は一部の上場株式・投信・REITなど
・口座開設期間の恒久化(これまでのNISAは2023年迄だった)

今回、非課税期間が無期限化となり口座開設も恒久化されたため、急いで口座開設し投資して非課税期間を享受するということが現状はなくなり、安心運用が可能となったといえます。

投資枠が復活する!

また、年間の投資限度は簿価で管理するうえ、売却すれば枠の再利用が可能となる

という点は大きいのではないでしょうか。

枠を新たに開けて、非課税枠を再度活用し再投資して利益を得るというサイクルが、

上手くはまれば出来るようになるという点でしょう。

枠の範囲内であれば1年程度の短期的な売買によって運用ができるうえ、

1,800万円の限度額までなら無期限で非課税で保有できることから、

つみたて投資枠で満額投資し複利で回していくことにより効果が期待できるかもしれません。

このあたりは週刊ダイヤモンドに具体的な数値を使った実例の記載もあるので、

参考にして活用して頂ければと思いました。

iDeCo

本書では、最強節税としてiDeCoが取り上げられています。

iDeCoと通常の年金との違い

若い世代にとっては、個人型確定拠出年金iDeCoはまだ先の話というイメージをお持ちでしょう。

しかしながら、実際に年金については20歳以上60歳未満であれば、

国民年金に加入し一定額を拠出する必要があります。

さらに、20歳未満でもアルバイトや就職していたりすると、

所属先の会社で厚生年金を支払っていることもあるかもしれません。

すなわち、若い方にとっても、年金の支払は必要となっており、

iDeCoはそれを個人で運用するというだけの違いになります。

最強節税手段のiDeCo

最強節税として取り上げられているのは、

・掛金全額が所得控除対象
・運用益も非課税
・受給時も公的年金等控除や、退職所得控除の対象となる

ということで、税金の支払いが発生しない、または少なくなる点からでしょう。

国民年金第2号被保険者の場合は、対象者によりますが最大27.6万円まで、1号被保険者である自営業であれば最大81.6万円の所得控除(iDeCoは小規模企業共済等掛金控除に該当)の恩恵を受けることができます。
※所得控除とはその年の所得額から差し引くことで税金算定のための所得を少なく申告できること

節税という観点の一方で、所得控除という控除の観点でも寄与するのがiDeCoの施策です。

一方で、

国としては面倒を見切れないから、自らの責任で年金を準備してください。
その代わりiDeCoを実施した人には恩恵が受けられるように、節税を準備しておきます。

といったメッセージであるといえるのではないでしょうか。

節税だけではない複利効果も期待できるのがiDeCo

筆者も長年実践していますが、節税以上に実は絶大な効果を発揮するのが、

複利による年金資産運用です。

iDeCoは60歳未満では引き出しができないのを逆に利用することができます。

具体的には、毎月拠出する金額が複利とともに雪だるま式にどんどん増えて、

非常に大きな金額になる可能性があるということです。

簡単に売買できるとなると、利益が出ているうちに売ってしまおうという、

人間の心理が働きますが、iDeCoはそもそも若いうちはそれができません。

そのため、利益が出ていて気になっても放置せざるをえなくなり、

それが複利の効果によって、どんどん年金資産が増えていく効果が生まれます。

ふるさと納税

FP資格取得を目指される方はメリットを知っている方も多く、利用されている方も多いでしょう。

寄付金2,000円を超える部分は、自治体への寄付を通じて翌年度の所得税や住民税控除の

恩恵が受けられるというものです。

寄付をした場合に返礼品として、各自治体の特産物を貰うことができるというものです。

実際には寄付を通じて税金を支払っている様な形ですが、手取りが増えるという観点よりも、

「ふるさと納税を行うと2,000円で返礼品が貰える」

といった観点になるのでしょう。

ただし、こちらは

・控除できる上限を超えると自腹になるため、高い金額で返礼品を買ったことになってしまう
・6か所以上であればワンストップ特例制度が受けられず確定申告をしなければならない
・上限を超えていないと思っても医療費控除を使用する場合は寄付金控除の上限額が低くなる可能性がある

点に注意となります。

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控除の観点からの手取り増

次に、控除の観点から手取り増として機能する方法が紹介されていましたので、こちらも合わせて確認します。

医療費控除やセルフメディケーション税制

医療費控除は、1年間で一定額の医療費を支払った際に、納め過ぎの税金の還付を確定申告を通じて行うことができる制度です。

具体的な要件としては、

①医療費控除額=年間で支払った医療費合計額-①保険金などでの補填額-②10万円
※①は最大200万円まで、②は所得200万円未満は所得の5%

として算出されます。

しかしながら、若い方や普段通院が少ない健康な方にとっては、

扶養する家族の分を含めて、医療費が年間10万円を超えるということも中々ないと思います。

筆者もむしろ使っているセルフメディケーション税制という施策もあります。

セルフメディケーション税制は、普段の通院で健康保険を使用した場合や、

対象となるスイッチOTC医薬品を購入した時に、それらの金額を医療費控除の特例として所得控除として活用することができるというものです。

1.2万円以上のセルフメディケーション対応の医薬品を購入した場合に購入額から、

1.2万円を引いた額がセルフメディケーション税制に適用可能となります。

病院に行かず自分で治すために購入した市販の該当医薬品に対して優遇が受けられるため、

通院による治療費は使用できません。

さらに医療費控除との併用はできないので、注意が必要です。

また、購入レシートを残しておくことや、申告対象年において予防接種や健康診断の受診など健康のための一定の取組を行う必要があります。

退職所得控除

FP試験でも頻出の退職所得控除の計算ですが、

勤続20年間まで:40万円×勤続年数
勤続21年目以降:800万円(40万円×20年)+70万円×(勤続年数-20)

という計算式になります。

この算式において、例えば、勤続丁度20年で退職なら、

40×20=800万円

を退職金から控除できることになります。

しかしながら、20年目を1日でも超えると、勤続年数は繰上げ扱いで21年として計算するとなるため、

800+70×(21-20)=870万円

と70万円も差が出てしまうこととなります。

これを上手く活用して退職することは、恐らく勤続年数が長いサラリーマンにとっては熟知していることと考えられますが、丁度ではなく1日でも退職日をずらして退職することが控除増による手取り増のポイントです。

失業保険

65歳定年などで退職する場合においては、65歳ではなく64歳のうちに退職しておこうというテクニックが紹介されていました。

64歳までであれば、基本手当を最大150日受給することができるものの、65歳になると高年齢求職者給付金として、最大50日までとなってしまうためです。

退職金同様に、退職日がずれると失業保険の手取りが減る可能性がある点も留意しておく必要がありそうです。

年金の観点からの手取り増

最後に、年金の観点で手取りを増やすことができると紹介されているので、そちらについても考え方含め確認しておきます。

年金の繰下げ受給

年金受給を検討している世帯にとっては、年金額をいかにして増やすかを検討する必要があります。

また、いつまで働けるのかも含めて、年金以外の収入を想定しておく必要もあるでしょう。

65歳以降何歳まで繰り下げるとどれぐらいの年金増が可能となるかという繰下げ受給額は、

FP試験でもおなじみの計算式として

0.7%×繰下げ期間(最大120ヶ月)

で算出されますが、75歳から年金受給をするとなると、最大84%増となります。

しかしながらこちらは額面上の計算式であり、手取りで言えば年金の額面通りとはいかず、

社会保険料や所得税、住民税が引かれることとなります。

仮に65歳で年金200万円の方が10年の繰下げ受給をした場合は、

75歳からの受取額の額面上は200×1.84=368万円となりますが、

手取り額は67.3%程度に収まるとの試算でした。

そして、払った額よりも貰った額が多くなる損益分岐年齢は、

額面では87歳であるのに対して、手取りでは89歳と、さらに上がってしまうようです。

繰下げに向いているのは、年金以外で生活費を確保できる収入が得られる方ですが、逆に向いていないのは現役時代の収入が高く企業年金もある年金収入が多い人、ということも本書では指摘していました。

子どもの国民年金を追納

20歳以上には国民年金の支払い義務があると前述しましたが、子どもがアルバイトをしてバイト代から国民年金を支払うことは想定しづらい点がありますので、扶養している親が負担をする必要があるでしょう。

そのため、仮に20歳以降、暫くの間支払っていない場合は追納の対応も可能ですが、この追納を親がした場合には、社会保険料控除の適用が可能になるということです。

逆に、親が払わなくても、子どもが働き始めてから追納も可能であり、その場合は子の社会保険料控除に適用されることとなります。

まとめ

ダイヤモンドに紹介されていた手取り増の対策について、興味深く読ませて頂きました。

その中でも、筆者が気になった点を中心に取り上げました。

今回ダイヤモンドは、おおむね既存の収入でどれだけ手取り増が図れるかの観点でした。

本質は、新NISAの所でも触れましたが、資産を増やしていくことであったり経済・社会に貢献するためにも収入増によって手取りを増やして行くことだと感じています。

結果的に、税金や社会保険にもより貢献することかと思っていますので、その点は最後に付け加えさせて頂きます。

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